「そこは、五線譜の庭でした」。
再び、盛岡での個展です。 漆喰壁の美しい、旧いオルガンのある喫茶店さんで、です。
今回の展示のテーマは「庭」。 まあ、主に花を描きたかったからです。 そして裏テーマは「楽譜」。 何故なら、六分儀さんは、音楽に携わってる方々の出入りが多い感じ、なんですよ。 前回のクラムボンさんには、美術関係の方々の出入りが多かったので、 「絵」っぽく行ってみましたが、 今回はそれに響きと言うか、ちょっと音っぽいものを混ぜ込みたいな、と思っています。 ついでに言うと、クラムボンさんのイメージは「ちょっと深めの紺色」で、 六分儀さんは「赤味のかったヴァイオリンみたいな色」のイメージです。 落ち着いた赤系の色、のイメージなんですよね。 あくまでも茶色で無く、透明感の在る様な。 宝石で言うなら、クラムボンさんが「タンザナイト」で、 六分儀さんが、マニアックだけど、「アンデシン」かなあ。 あの色、とても好きなんだ。
この喫茶店は籠るのにちょうど良くて、とても居心地がいいんですが、 その理由は多分、空気が留まっていて入れ替わらない感じがするから、なんですよね。 旧くて懐かしいものが、ずっと此処に在る気がする。 その心地良さに溺れつつ、 矛盾すると知りながら、 僕は此処に、窓を開けてみたいと思った。 外へ通じる扉の様なものを開けて、空気の動きを変えてみたらどうなるだろう、と。 それが今回の展示の大元の感覚です。
何時にも増して、絵に感情のだだ漏れ感が漂ってしまっているのですが、 絵に嘘は吐けない身なので、しょうがありませんね。 こういうもんだと思って、一生背負って向き合って行くしか無いんだ。 ならせめて、楽しくて明るいものを描いて、見せて行きたいと願う。 それはきっと、僕にとって変わらぬ願いなのだろう、とも思うので。
何時にも増して賑やかなのは、花が咲いているから、です。 まあ、お楽しみあれ。 |